書籍のご案内

『ホビット』を読む  ー『ロード・オブ・ザ・リングズ』への序章ー(かんよう選書4)

著者 川原有加
価格 本体価格1,200円+税
発行 2013年1月

トールキンの名作『ホビット』(邦訳は瀬田貞二訳『ホビットの冒険』岩波書店)を、粗筋、登場人物、素材、語りの技法など基本的事項から、色彩表現法や作家のキリスト教観まで、作品のすべてをわかりやすく解説した格好の手引書。『ホビット』を読み解くには必携のガイドブック。

目   次

第一章 J・R・R・トールキンの生涯と『ホビット』の誕生 5
一 J・R・R・トールキンの生涯 5
二 『ホビット』の誕生 16

第二章 登場人物、旅路とその風景 19
一 登場人物 19
二 旅路とその風景 41
地図 42/旅路とその風景 43

第三章 物語のあらすじ、構成、技法、素材 55
一 物語のあらすじ 55
二 構成 72
三 技法 74
語りと劇的アイロニー 74/「行きて帰りし」物語 76/用語 77/詩歌となぞなぞ 78

四 素材 81
食事情 81/指輪 84/剣 84/宝物 86

第四章 物語における種々のテーマ 89
自然 89/成長 90/継承 91/友情 92/戦い 94/キリスト教的側面 98

第五章 『ホビット』にみる枢要徳 105
賢慮 105/正義 106/勇気 109/節制 110

第六章 『ホビット』における色彩表現 113

終 章 『ロード・オブ・ザ・リングズ』と『ナルニア国年代記物語』へ 121

あとがき 125

参考文献 128

著者紹介
川原有加(かわはら ゆか)
日本大学文理学部卒業。日本大学大学院総合社会情報研究科博士前期課程、同博士後期課程修了。博士(総合社会文化)。専門は文学テクストの色彩表現研究。
主要論文
「『ナルニア国年代記物語』における鳥のシンボリズム」(『日本大学大学院総合社会情報研究科紀要』第7号、2007)
「J. R. R.トールキン「ニグルの木の葉」についての一考察――<準創造者>としての芸術家――」(『日本大学大学院総合社会情報研究科紀要』第8号、2008)
「『ナルニア国年代記物語』に見る色彩表現の機能と効果―風景描写を中心に―」(『日本大学大学院総合社会情報研究科紀要』第11号、2010)
「色彩表現から見た『指輪物語』における「戦い」」、(『国際情報研究』第7号、2010)
「色彩表現から見たC. S.ルイス『ナルニア国年代記物語』――アスラン・魔女・子どもたちを中心として――」(『比較生活文化研究』第17号、2011)
「『ホビットの冒険』についての一考察――『指輪物語』と『ナルニア国年代記物語』との関連性」(『日本大学大学院総合社会情報研究科紀要』第12号、2011) 他。